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西村善徳からの手紙-2004年7月〜12月-


2004年11月25日(木)農政局の現地審査を受けました

 
生姜の収穫前に,ご親切なお役人の審査を受けることが出来ました。「内部規定」「格付け規定」「生産行程管理規定」の保管や、有機栽培としての管理の点について確認をいただきました。ただ次の点についてご指導いただきました。
         
農薬 化学肥料の使用に係わる適正表示について

  平成15年度の改正で表示禁止事項になっている点について指導を受けました。無農薬や減農薬の表示は曖昧であり、表示禁止になっている点でした。消毒した種子を使用している場合は無農薬にはならないし、表示は出来ないとのことでした。

 単なる表示にこだわって、本質を見失ってはならないと思いました。つまり生産者と消費者が互いに信頼できる関係の結果として流通していく関係が基本になると思いました。

それでも表示しないと信頼が築けない場合は

  (栽培期間中化学合成農薬不使用」(栽培期間中化学肥料不使用」とか、「慣例の何割減」とか言った具体的な表示をしないと誤解を与える危険があり、改正になったようです。口では簡単ですが、いざ実施するとなればどだい無理な話になります。
             
種子消毒はダメ

 ガイドラインによりますと、種苗の消毒も農薬の対象にされますので、無農薬の表示は出来ないそうです。もっともな話に聞こえましょうが、農家にとってはどだい無理な話になります。これを非現実論といいます。

 実は僕たちは国が認め輸入した種子を使って野菜や農産物を生産しています。この輸入種子は一代交配でして(F1)、自家採種できません。遺伝子組み換え種子とは違いますが、この種子には防疫のために、農薬をまぶしています。だからいけないことになるのです。しかし農家には無農薬種子を選択することが出来ません。国が輸入を認めている種子はゼ〜ンブ(全部)消毒薬で染められているからです。

 この種子が(安全)でないなら国は安全な種子の輸入に切り替えるべきです。国民の安全が保障できない種子の輸入を認めるべきではないと思うのです。僕たち農家は国の安全を信じて種子を購入し栽培しているのです。

安全な種子はどうして手に入れればいいの?

 生姜の無農薬種子はありません。僕たちの栽培している無農薬生姜は病虫害の危険があり、種子としてはつかえません。自家用ぐらいの小栽培面積ならいざ知らず、販売用として栽培することは無理なのです。

 国が消毒した種子の使用を安全上は認められないとすれば、国の責任において安全な無農薬の種子を斡旋してほしいと思います。僕たちは安全を否定して消毒種子を使っているのではありません。国が安全な種子を斡旋してくださるまでは、仕方のないことですのに、消毒した種子を使う農家を安全な農産物生産農家として認定しない基準には納得できませんでした。


2004年10月20日(水)また台風がやって来ました

 
四万十川はきれいになりました

  今回の台風前に四万十川を下ってみました。最近は沿線住民の意識が高まり川にごみがなくなり随分きれいになりました。

  そのとき引きつけられるように写した秋の四万十川です。

台風が洪水被害を置いてゆきました

  台風がマタマタご訪問くださいました。ただいま、消防の召集命令が出ました。四万十川が警戒水位を超えたためにの召集です。
わが村ではめったに危険水位を超える事はありませんが、しょうがも一部流されています。可愛そうに〜〜〜〜〜。

  その上「村の半分が停電になった」との放送がただいまありました。宅配も県外発送できません。」やはり四国は島なのです。改めてそんな認識をしています。停電になれば、昭和20年ごろまでランプの生活だったことを思い出し、文化とは何か〜を考える良い機会だと思ったりしています。。

森が危ない

  よく森が水を守り、豊かな実りの秋が迎えられると感謝されてきました。しかし最近は水が里を襲い、大切な生姜畑を流しながら下流えと流れてゆきます。でも水の調整が出来ない森が悪いのではありません。

  森も一次産業衰退の波にさらされ、間伐材はそのまま山に放置されています。この間伐材が、谷をせき止める臨時のダム堰堤となり、一瞬にして下流えとせき止めた水を流します。
これも一次産業を見捨てた社会に対する自然の復讐のような気がしてなりません時々国のエラ−イお役人の方が生姜を見に来てくださいます。安全の確認におい出てくださいますことに感謝しますが、もっと衰退する一次産業の影で苦しむ村社会の姿を見てほしいと思います。

崩壊する村社会

わが村もいま合併に揺れ動いています。

  僕は合併に反対ではありませんが、日本から村が消えてゆき,都市的発想で行政が一元化されて行くことがどんな水害よりも怖い気がします。

  村では年間20人が死亡し、一人生まれています。ここに合併しても 自立の道を歩んでも村社会が崩壊し、過疎に埋没してゆく現実があります。都市と言う大木の地下では幹を支える村という根が枯れて水分の補給が出来なくなっている現実を見る目を持たなくでは何度村に役人が足を運んでも本当の姿は見えてこないと思います。


2004年9月8日(水) 台風一過の晴天になりました

  相次ぐ台風のご訪問を受け、わが村でも5億以上の被害を受け、復旧は単年度では無理だと思います。

  そんなことには関係なく久しぶりに太陽が顔を出しました。収穫前の稲は倒伏し、生姜は強風にもまれて写真のようにうなだれています。
 

回復を祈るのみです
              
 生姜は乾燥を嫌い、かといって湿度を嫌います。ややこしい作物です。
 
 したがって、夕立程度の雨は歓迎しますが、台風の連続パンチにはなすすべもありません。写真のようにうなだれて、天候の回復を待つのみです。

 晴天になれば今度は病気の発生に見舞われます。これは台風より怖いです。急激な天候の変化についてゆけないのです。通常は先を争うように消毒が始まりますが、僕たちは消毒はしませんので運を天にまかすのみです。リスクの大きさを考えると生姜畑に行くのが恐ろしくなります。

 自然相手の農業の宿命とはいえ、自然に対して決して勝利者にはなりえない現実を生姜畑が突きつけているのが怖いのです。



2004年7月16日(金)夏本番

炎天下での草引き

 連日かんかん照りのもとで,生姜畑の草引きに、悪戦苦闘しています。

  全身から玉の汗が流れ落ちる時、農業の有難さを感じます。
お金を使ってサウナに行く人から比べれば、僕たちは無料でサウナを利用しているようなものです。お金の要らない健康法が実践できるので、農業とは贅沢な職業だと思いますね。収入が少ないので、お金の心配も要りませんし、草むしりには頭も使う必要がございませんし、炎天下で汗を流す健康法を実践しています。

四万十川を訪れる夏本番となりました

 草を引いていると、単車の若者が頭もとを駆け抜けてゆきます。一方、のんびりと四万十川を散策する方々も多いですね。

そこでノンビリ型の旅行者のために、下流の中村市周辺では四万十川を巡るバスの運行が始まりました。

  8月下旬までの季節限定で≪四万十学遊館、沈下橋、カヌ−とキャンプ場≫を巡る終日乗り放題1千円のパスボ-ト方式で発行されることになっています。

  始発駅は土佐中村駅前発で1日5往復となっています。また川バス利用者には自転車も貸し出されます。

  又汗を流したい方は僕の所に来れば生姜畑で草引きが出来ます。


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